名村造船所、債務の株式化で佐世保重工を支援 105億円
名村造船所は18日、子会社の佐世保重工業(長崎県佐世保市)が名村造船所を割当先とする債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)を3月29日に実施すると発表した。経営再建中の佐世保重工業は債務105億円を圧縮し、業績回復を急ぐ。
佐世保重工業は旧日本海軍の設備を継承して1946年に創業した名門だ。2014年に名村造船所の傘下に入りタンカーなどを製造してきたが、中国・韓国メーカーとの競争激化で経営が悪化。17年3月期から赤字が続き、21年3月期に債務超過に陥った。
佐世保重工業は効率化のため21年に約250人の希望退職を募ったほか、22年1月、ギリシャの船会社から受注したバラ積み船の引き渡しを最後に新造船事業を休止した。今後は船舶修繕事業に軸足を移し、客船など幅広く受注する。
造船業界を取り巻く経営環境は厳しい。名村造船所は22年3月期の最終損益が80億円の赤字見通し。最終赤字は3期連続となる。20年にはサノヤスホールディングスが造船事業から撤退を決めている。
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