グループホーム、マンション規約違反で禁止 大阪地裁

大阪市内の分譲マンションの管理組合が、マンションで障害者向けグループホームを運営する社会福祉法人を相手に使用禁止などを求めた訴訟の判決で、大阪地裁の龍見昇裁判長は20日、住居以外の用途を禁止するマンション管理規約に反しているとしてグループホームとしての使用禁止を命じた。
判決は、グループホームが障害者の「生活の本拠」になっていると認める一方、防火対策などで管理組合側に費用負担が生じると指摘。グループホームの運営は住民の共同の利益に反しており、「規約に違反する」と判断した。
訴状などによると、グループホームは社会福祉法人がマンションの区分所有者と賃貸契約を結んで開設。現在は2部屋で運営し、6人が暮らしている。
判決を受けて管理組合側は「マンションの共同の利益を考えて訴えたことを認めた正当な判決」とコメントした。
社会福祉法人側は「全国のグループホームで暮らす障害者が生活できなくなる悪影響をはらんだ判決だ」と批判し、控訴する方針を示した。
厚生労働省のまとめによると、2021年9月時点で障害者向けグループホームの利用者は約15万人で、年々増加傾向にある。日本グループホーム学会(横浜市)の18年度の調査によると、グループホームの2割がマンションなど共同住宅内にあるという。