競走馬生産牧場を文化財に 旧国道1号の安倍川橋も

文化審議会は17日、競走馬を生産する北海道新ひだか町のレースホース牧場(旧大日本競走馬生産)本厩舎など28都道府県の147件を登録有形文化財にするよう永岡桂子文部科学相に答申した。完成から100年を迎える現役の道路橋で静岡市にある安倍川橋の登録も求めた。
長さ70メートルの本厩舎は1961年の建設当時、アジア有数の規模を誇った。勾配に変化をつけた腰折れ屋根で、馬場を見渡せる展望室も備える。文化庁によると、国内最大の馬産地の北海道で競走馬の厩舎が国の文化財になるのは初という。
安倍川橋は全長491メートルで、上部構造が弓なりのボーストリング・トラス橋として国内最長。江戸時代は川越しの難所とされ、明治時代に木製の橋が架けられた。現在の橋は旧国道1号の自動車交通対応のため、1923年に架け替えられ、東海道の近代化に大きな意義を持つと評価された。
答申には宮沢賢治の童話のモデルになったとされる岩手県花巻市の旧菊池家住宅西洋館や、住宅作家として名高い建築家、宮脇檀さんの代表作の一つである東京都世田谷区のブルーボックスハウスも含まれた。夏ごろにも答申通り告示され、建造物の登録有形文化財は1万3779件となる。〔共同〕