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池袋暴走、90歳被告の禁錮5年確定 刑務所収容検討へ

(更新)
事故現場で実況見分に立ち会う飯塚元院長(手前中央、2019年6月、東京都豊島区)

東京・池袋で2019年、乗用車が暴走して2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(90)を禁錮5年の実刑とした東京地裁判決が17日、確定した。弁護側、検察側双方が期限までに控訴しなかった。

飯塚元院長は15日、支援者と面会し「遺族に対して申し訳ない。判決を受け入れたい」と控訴しない意向を示していた。

元院長は車いすで生活し、自力で歩くことができなくなっている。検察は今後、年齢や体調などを考慮して刑務所に収容するかどうか検討する。

刑事訴訟法は「著しく健康を害するときや生命を保てない恐れがあるとき」や「70歳以上」の場合、刑の執行を停止できると規定している。

弁護側は公判で、車の電気系統に異常が生じ、ブレーキが利かなくなったと無罪を主張した。これに対し、2日の地裁判決は、約10秒にわたり、ブレーキと間違えてアクセルを踏み続け、最大時速約96キロまで加速させた過失が原因と認定。高齢であることなどを考慮しても、禁錮5年が相当と結論付けた。

判決によると、19年4月19日昼、東京都豊島区東池袋で、横断歩道を自転車で渡っていた松永真菜さん(当時31)と莉子ちゃん(同3)を乗用車ではねて死亡させ、男女9人に重軽傷を負わせた。〔共同〕

「遺族に申し訳ない」 自宅こもり、嫌がらせ絶えず


「遺族に本当に申し訳ない」。旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長は、池袋暴走事故の公判で無罪を主張したが、支援者と面会する際には毎回、遺族への思いを口にした。高齢による病を抱え、通院以外は自宅にこもる日々が続く。脅迫めいた手紙が届き、自宅近くで動画を撮影されるなど嫌がらせも絶えないという。

15日午前、元院長の家族を支援するNPO法人の理事長が東京都内の自宅を訪ねた。「明日どうしましょうか」と問うと「控訴しないと決めました」と返した元院長。「これが償いになるとは思っていないけど、まず判決を受け入れたい」。元気のない様子だったが、冷静でしっかりとした口調だった。

公判の実質的な審理が終わった6月から、理事長はほぼ毎週、元院長と会ってきた。気さくで人の話をよく聞き、いつも「遺族に申し訳ない」と話した。

官僚だった経歴や逮捕されなかったことから「上級国民」とやゆされ、今も続く嫌がらせにおびえることも。2日の東京地裁判決も、元院長の主張を退ける一方「過度の社会的制裁が加えられている点は、被告に有利に考慮すべき事情の一つだ」と付け加えた。

理事長によると、元院長は手足が思うように動かせなくなる難病を患い、ここ数カ月で急激に悪化。車いすを使い、2人暮らしの妻やヘルパーの介助を受けて生活しているが、刑務所への収容にも同意する意思を示したという。

元院長の対応に、理事長は「控訴しても主張が認められるかどうか含め、いろいろ考えたのだろう。控訴しない理由を言葉にできるには、もう少し時間がかかると思う」と話した。〔共同〕

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