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環境に優しい除草、「ヤギ部」が担う(キャンパス探訪) 

兵庫県立大学・淡路緑景観キャンパス

淡路島にある兵庫県立大学の淡路緑景観キャンパスでは、2020年から2頭のヤギが「草刈り」を担っている。造園や環境保全の人材を育成する専門職大学院、緑環境景観マネジメント研究科の学生らが、課外活動の一環として飼育を始めた。グループの通称は「ヤギ部」。ガソリンや電気で動く草刈り機と異なり、環境に優しいという。ノウハウを積み上げ、将来的には学外での活用を目指す。

同キャンパスには農地や実習林が広がり、敷地面積は約37ヘクタール。草刈りが必要な場所も多いが、ゆき(3歳)、こゆき(2歳)の親子を連れていけば、ムシャムシャと胃袋に収めてくれる。担当の新保奈穂美講師は「学生にとっても、人間と自然の付き合い方を考えるきっかけとなるのでは」と話す。

ヤギによる除草は、農家や公園での応用も期待される。既に島内の農家に2頭を時折貸し出し、休耕田の整備に活用している。ヤギは急斜面でも動けるため、淡路島に多い棚田での除草も可能。刈った草を集めたり、焼却したりする労力もかからない。公園などでは、集客面でプラスになる可能性もある。

もっとも思い通りにならないことは多い。ヤギたちは「偏食家」で、一部の植物だけが残ってしまうことも。「ヤギ部」の部長でモンゴル出身の朝魯門さんは「朝来てみたら脱走していたことが2回ほどあった」と苦笑する。ヤギと人間双方にとって負担の少ない方法を目下、模索中という。(渡辺夏奈)

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