東和薬品社長「日医工、できるだけ再生してほしい」

後発薬大手の東和薬品は16日、大阪本社で2022年3月期決算の説明会を開いた。吉田逸郎社長は同じく後発薬大手で、私的整理を申請した日医工について「日医工の生産量は大きい。できるだけ再生してほしい」と述べた。
日医工は品質不正により業務停止命令を受けたことで業績が悪化し、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請した。後発薬は国がその使用を推進して企業に増産を求める中、品質不正の問題で生産が滞るなど供給不足が続いている。
吉田社長は日医工の私的整理について「(日医工は)今まで通りの営業活動をするというので、生産販売には何も影響は無いと思っている」との見通しを示した。
同日説明した東和薬品の22年3月期の連結決算は、純利益が前の期比14%増の159億円だった。供給不足が続いているため、多くの品目で生産数量を上回る注文があり、売り上げが伸びた。23年3月期の業績予想については、売上原価率の悪化や販管費の増加を織り込み、純利益で前期比25%減の120億円とした。
後発薬の供給不足を受けた増産体制については整備を続ける。新工場の完成などに伴い24年には年間175億錠生産する体制を構築する。吉田社長は「これが最大限努力して東和薬品としてできることだ」と語った。