大阪IR用地、鑑定額4社中3社一致 市が公表し説明
大阪市は15日、人工島・夢洲(ゆめしま)への誘致を目指しているカジノを含む統合型リゾート(IR)を巡り、用地の賃料の積算根拠となる不動産鑑定の結果を公表した。不動産鑑定業者4社に鑑定を依頼し、そのうち3社の評価額が一致していた。市議会からは「賃料を恣意的に設定したのではないか」と疑問の声が出ているが、市側は否定した。
大阪市は事業予定者の「大阪IR株式会社」に対し、夢洲の土地約49ヘクタールを35年間貸し出す予定で、年間の賃料を約25億円と設定している。価格を決めるにあたり市内の業者など4社に土地の鑑定を依頼。15日に市が公表した資料によると、そのうち3社が「1平方メートルあたり428円」との評価額を出していた。
鑑定では通常、その土地で想定される最も適した用途を基に評価するが、今回は4社ともショッピングセンターなどの大規模な商業施設を建設する条件で評価していたという。IRに含まれるホテルなどを条件にすれば賃料が上がり市の収入が増えることが想定されるが、市側は「IRは国内に前例がない」(担当者)として、鑑定のプロセスに問題はなかったとの認識を示す。
IRを巡っては大阪府・市が4月に区域整備計画を国に提出し、国土交通省が設置した有識者委員会が認定するかどうかの審査を続けている。