大阪の就活高校生、最初から2社に応募可 大都市圏で初
大阪労働局と大阪府教育庁は16日、高校生の就職活動について、9月の選考開始から1人2社の応募を可能にすると発表した。10月末まで1人1社に制限してきた現行ルールを2022年度から一部見直し、ミスマッチによる早期離職を防ぐ。最初から併願を認めるのは大都市圏で初めて。
高校生の就活は全国的に開始から10~11月までの「1人1社制」が定着しており、複数社への応募を認めているのは秋田、沖縄、和歌山の3県のみだった。
高校の卒業予定者を対象とした企業の採用ルートは主に、特定の学校に向けた「指定校求人」と、全国の高校に求人情報を公開する「公開求人」がある。大阪府の新ルールは、公開求人で併願を認めている企業なら当初から2社まで応募できる。指定校求人は現状を維持した。
学校側の協力を得やすい1人1社制は円滑な内定につながる利点があるが、ミスマッチへの懸念もある。厚生労働省の調査では、就職した高校生の3年以内の離職率は約4割で、大卒の新入社員の約3割よりも高い。府側は就職先の選択肢を広げることで、生徒の主体性も高まると期待する。
政府は20年、都道府県教育委員会に1人1社制の見直しの検討を求めたが、現状では広がりを欠いている。1人1社制を採用する自治体の担当者は「内定辞退が少ないと企業は採用計画を立てやすい。スムーズに内定を得られれば就活が長引かず、生徒は学業に集中できる」と説明している。