神戸の遺伝子ベンチャー2社、網膜疾患の治療薬を開発へ
目の難病治療薬の開発・実用化を手がけるVC Gene Therapy(神戸市)とDNA合成技術に強みを持つシンプロジェン(同)は15日、視野が徐々に失われる網膜色素変性症の遺伝子治療薬を共同開発すると発表した。2023年度には厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験相談を始める計画で、将来的な製品化につなげる。

VC Gene Therapyは眼病治療の研究開発を手がけるビジョンケア(同)の子会社で、網膜色素変性症の治療機能を持つ遺伝子の開発を担う。同社は、理化学研究所でiPS細胞を使った再生医療研究を手がけた高橋政代氏が社長を務めている。
シンプロジェンは長鎖DNAを低コストで製造できる技術に強みを持ち、治療機能を持つ遺伝子を体内に運ぶウイルスベクターの開発を担う。将来は治療薬の大量生産を外部メーカーに委託できるよう、両社で量産手法の確立を目指す。
網膜色素変性症は遺伝性の難病で、網膜にある光を感じる視細胞が徐々に機能を失い失明する。日本では緑内障に次ぐ失明の原因疾患になっている。