タカラバイオと島津、オミクロン型向けPCR試薬を開発

タカラバイオと島津製作所は15日、それぞれ新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」を検出するためのPCR検査試薬を開発したと発表した。タカラバイオは同日、島津は12月下旬から受注を始め、両社とも2022年1月から出荷を予定している。一般の医療機関ではなく疫学調査を担う研究機関向けに発売する。
両社が開発した試薬はウイルスの表面にある「スパイクたんぱく」と呼ばれる突起状のたんぱく質の「E484A」という変異を検出する。オミクロン型は変異部位が異なることがあり、この試薬のみで全てを判断することは難しく、島津によると検出率は5~6割という。
タカラバイオはE484Aのほかにオミクロン型の特徴とされるスパイクたんぱくの「G339D」の変異を検出する試薬の受注も併せて始める。
さらに両社はオミクロン型にはデルタ型の特徴となる「L452R」の変異を持たないため、この変異の有無を合わせて検出することで効率的にオミクロン型をみつけられるとしている。
両社は新型コロナ患者が急激に増え始めた20年春からそれぞれPCR検査試薬を発売し、開発体制を整えて各種の変異型にも素早く対応してきた。
オミクロン型向けのPCR試薬では、スイス製薬大手ロシュも12月初旬に発売したと発表している。