木下元都議に有罪 無免許運転、東京地裁「責任重い」
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東京都議選期間中などに無免許運転を繰り返したとして、道交法違反の罪で在宅起訴され、議員辞職した元都議、木下富美子被告(55)に東京地裁は15日、懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)の判決を言い渡した。「条例制定に携わる都議として、法令をより順守すべき立場であった。責任は重い」とした。
平出喜一裁判官は判決理由で、4年弱の間に計12回の交通違反をし、4回の免許停止処分を受けた点を挙げ「道交法の規範意識に問題がある」と指摘した。一方、強い社会的非難を受けて都議を辞職したことなどを考慮し、執行猶予を付けた。
木下被告は公判で起訴内容を認め、弁護側は寛大な処分を求めていた。判決後に都内で記者会見した被告は「大変ご迷惑をお掛けした」と謝罪し、「無免許運転によって失ったものはあまりにも大きく、日々後悔しかない」と話した。控訴はしない意向だという。
木下被告は2021年7月、都議選板橋区選挙区に「都民ファーストの会」から出馬し、再選。その後、選挙期間中に無免許運転で停車中の車にぶつかり、乗っていた男性ら2人に軽傷を負わせたのに逃げ、公表しなかったことが発覚した。
判決によると、21年5月29日~7月2日に計7回、公安委員会の運転免許を受けずに板橋区の道路などで乗用車を運転した。当時は免許停止中だった。東京地検は、当て逃げしたとする過失傷害と事故不申告の書類送検容疑は不起訴とした。〔共同〕