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大阪府23年度予算案、脱炭素・スタートアップ支援重点

大阪府は15日、一般会計で3兆6421億円の2023年度当初予算案を発表した。府の経済成長を後押しする施策が多く、脱炭素の推進やスタートアップを支援する新規事業を盛り込んだ。将来の府債返還のために積み立てる「減債基金」の復元は23年度末に終える見通しとなり、財政健全化に一区切りがついた。

府は来年度の当初予算として、22年度当初比3.6%減の3兆6421億円を計上した。企業業績の改善などから23年度の府税収入は前年度比5.8%増の1兆4569億円を見込んだ。新型コロナウイルス対策に重点配分した前年度に対し、23年度は今後成長が見込まれるSDGs(持続可能な開発目標)関連や、潜在力のある企業の発掘に力を入れた。

予算案では、主に民間事業者に脱炭素関連の技術を導入することなどを促す施策に、2560万円を充てた。事業者が最新の太陽光パネルや消費電力を最適化するエネルギーマネジメントシステムを、所有する施設に設置する際にかかるコストの半分を補助する。上限は1000万円。

二酸化炭素(CO2)といった温暖化ガスの排出が少ない有機農業を主に促進する事業にも1220万円を支出する。有機農業を始めたい府内の農家を対象に、講習会も開く。

スタートアップの育成では新技術を持つ府内のスタートアップの海外事業展開を支援する事業に3050万円を支出する。同事業では、府が委託した事業者が23年9月ごろまでにスタートアップを5社程度選出。委託業者は選出した企業にコンサルタントを配置し、事業計画の作成やサプライチェーン構築などを援助する。

01〜07年度に財源不足を理由に、計約5200億円取り崩した減債基金の復元は23年度末に完了する見込み。当初想定より府税収入が多く、復元に使える原資が増えたため従来の見通しより1年前倒しとなる。

同基金は将来の府債償還に備えて積み立て、予算編成のために使うことは本来「禁じ手」とされる。税収入の上振れ分の一部を基金に回して復元するが、23年度はその費用に159億円を充てた。

一方、医療や介護などの社会保障関係費は一般財源ベースで22年度当初比5.5%増の6468億円となった。今後の高齢化社会を見据え、財源対策が引き続き課題になる。

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