パナソニック、燃料電池工場100%再エネ化 水素活用

パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックは15日、滋賀県草津市の燃料電池工場の全電力を再生可能エネルギーで賄う実証実験を始めた。敷地内に設置した純水素燃料電池と太陽光パネル、蓄電池を組み合わせて電力をやりくりする。2023年度には同様の電力システムを他社に販売し、30年度には3000億円規模の売上高を目指す。
滋賀県草津市の家庭用燃料電池「エネファーム」の工場で実証実験を始めた。工場近くに設置した自社製の純水素燃料電池(5キロワット)99台と太陽光発電設備(570キロワット)、蓄電池(1.1メガワット時)を組み合わせ全ての時間帯で電力を「地産地消」する。「水素を本格活用した工場の再エネ化は世界初」(同社)としている。
エネルギー管理のノウハウを蓄積し、日本や中国、欧州を中心にシステムを販売する計画だ。機器販売や運営受託も含めて他社工場やオフィスに売り込むほか、他地域の自社の工場にも導入して脱炭素化を進める。

同日開いた実証設備の開所式にはパナソニックHDの楠見雄規社長や滋賀県の三日月大造知事らが出席した。楠見社長は「(電力システムを)お客様にも導入してもらい、より大きな二酸化炭素の削減貢献インパクトをつくっていきたい」と話した。三日月知事は「パナソニックの挑戦は(環境対応を進めたい)多くの人の希望になる」と期待を込めた。