塩野義のコロナ薬、派生型にも効果 非臨床試験で確認

塩野義製薬は14日、開発中の新型コロナウイルスの治療薬が、オミクロン型の派生型「BA.5」にも効果があることをヒトを対象としない非臨床試験で確認したと発表した。これまでに検出された派生型でも、ウイルスの増殖を抑制する効果を確認している。BA.5は感染力が強いとされ、足元の感染拡大の原因のひとつと見られている。
2月に厚生労働省に製造販売承認を申請した飲み薬について、試験管を使った試験で効果を確認した。同じく派生型の「BA.4」でも効果を確認できたとしており、変異が繰り返される中、塩野義は新しい派生型でも効果などの評価を実施していく方針だ。
国内では足元で感染拡大が進んでいる。感染力の強いBA.5などへの置き換わりや、ワクチンの効果減少などが指摘されている。変異にも対応する治療薬が実用化できれば、社会・経済活動と感染対策を両立させる一助になる可能性がある。
厚生労働省は20日、塩野義の飲み薬について承認の可否を審議する。6月の専門部会では「さらに慎重に議論を重ねる必要がある」として結論が持ち越されていた。塩野義は国産初の飲み薬として実用化を目指している。

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