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少年院、更生へ地域と交流広がる 対話やワイン造り

更生に向けて、地域との交流を積極的に図る少年院が増えている。少年院経験者との対話や、地元企業とのワイン造りなど内容は多彩だ。少年の中には出院後に仕事や目標を見つけられず、また犯罪に手を染める人もいる。少年と関わる現場は「尊敬する人との出会いや成功体験が再犯防止につながる」と訴える。

「更生するってどういうことだろう」。福岡少年院(福岡市南区)に在院する少年が疑問を口にした。3月に開催された少年院経験者の団体「セカンドチャンス!福岡」のメンバーとの座談会。代表で会社経営の山下諒哉さん(25)は「普通の生活を送り続けることが一番」と語り掛けた。

座談会は昨年から3カ月に1回開催。質問内容は自由で、多いのは非行仲間との付き合い方だ。少年院の教官は関係を絶つよう指導するが"先輩"の答えは「無理に切らなくてもいい」。孤独に陥るより、一緒に立ち直る道もあると諭す。

取り組みを導入した中島学前院長は「私たちの正論では少年の心に届かない。悩みながらも社会で頑張る先輩の姿が少年の心を動かす」と指摘する。

警察庁によると、2020年に全国の警察が認知した刑法犯のうち、摘発された少年は約1万7千人。再犯者率は34.7%で、近年は3割超が続いている。20年の再犯者約6千人のうち、千人以上が無職だった。そのため、仕事の確保が再犯を防ぐ鍵だと分析している関係者は多い。

ブドウ栽培を通じ、仕事につながる技術の習得を目指す少年院がある。

茨城県牛久市の茨城農芸学院は、昨年から市の第三セクターが運営する「牛久シャトー」から技術指導を受け「少年院産ブドウ」を使ったワインの出荷を目指す。敷地内にはメルローなどのブドウの木が植えられ、少年が土の管理や水やりに精を出す。

長崎県佐世保市の佐世保学園では、定期的に市内の高齢者や障害児施設を訪問。草刈りの手伝いや利用者との交流を続ける。少年院の担当者は、「お年寄りとのおしゃべりや職員の働く姿をみて、こうした仕事に興味を持ったと話す少年もいた」と振り返る。

長年、非行少年の相談に乗るNPO法人「セカンドチャンス!」九州担当理事で会社経営の松尾昌人さん(40)は「少年院に入った時点で『人生が終わった』と考える少年は多い」と指摘。「でも頑張れば経営者にもなれる。社会の中にもやり直しを認める空気が広がればいい」と話した。〔共同〕

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