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大阪「スーパーシティ」年内に最終案 未来都市へ始動

人工知能(AI)やビッグデータを活用した未来型都市「スーパーシティ」の実現に向け大阪で官民が本格的に動き出した。14日、大阪市内で初の協議会を開催。国の特区制度を使い「空飛ぶクルマ」を含む次世代の移動手段やヘルスケアで大胆な規制緩和により民間参入を促す。先端サービスを実装する街の将来像を年内にまとめる。

「大阪スーパーシティ協議会」は大阪府・市や、関西経済連合会、大阪商工会議所、関西経済同友会などの経済団体、2025年日本国際博覧会協会、うめきた2期開発事業者などで構成。会長には吉村洋文知事が就いた。吉村氏は「(スーパーシティの実現によって)住民の生活の質を向上させ、都市間の競争力を強化したい」と語った。

スーパーシティ型国家戦略特区は、AIなどの先端デジタル技術を活用して30年ごろの未来社会の先行実装を目指す制度。特定地域に限り規制を緩和する特区制度のひとつで、4月に大阪市と茨城県つくば市の2地域が国から指定を受けた。

先端サービス実装の舞台として、府・市は25年国際博覧会(大阪・関西万博)の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)とJR大阪駅北側の再開発エリア「うめきた2期」を想定している。

今後、大阪府・市の担当部局を中心に「移動」「物流」「医療」「まちづくり」などのテーマごとに実装を目指すサービスを検討し、8月にも大阪の未来像を描いた「全体計画」の骨子を発表する予定だ。協議会は年内に最終案をとりまとめ、国が策定する基本構想である「区域計画」への反映を目指す。

大阪市の松井一郎市長は「メインプレーヤーは事業者だ。スーパーシティ制度を活用して先進的なサービスを進めてもらいたい」と、経済界や民間企業と行政が連携していくことが必要という認識を示した。吉村氏は「実際のプレーヤーである民間事業者がやりやすいように行政が支援する」と語った。

経済界から参加した関経連の松本正義会長は「ドローンなど工事現場へのICT(情報通信技術)活用」を規制緩和での重点事項として挙げたほか、関西同友会の生駒京子代表幹事は「データを活用したヘルスケア規制の緩和」を要望した。データ連携によって幅広い分野での次世代パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)を活用したサービスも目指す。

大阪・関西万博に向けて府・市は空飛ぶクルマの運航に関わる規制緩和も狙う。普及のカギとなる離着陸場の整備に向けて、将来的にビル屋上などを活用できないかなどを検討している。現在は利用地域が限定されている貨客混載輸送や夢洲周辺エリアの天気予報をAIで代替できるよう規制緩和を国に働きかける考えだ。

スーパーシティ実現の要となるビッグデータの活用では、府は22年度にも「大阪広域データ連携基盤(ORDEN)」と呼ぶポータルサイトを立ち上げる。府内市町村の情報を一つにまとめて登録者それぞれのニーズを自動判断し、送信する仕組みだ。道路の渋滞情報などをリアルタイムに分析し、快適な万博観光につなげる。

国は大阪市やつくば市での意見を基に、区域会議で行政手続きや移動、物流、医療介護など複数の分野で先端的なサービスが展開できるよう規制緩和の議論を進める。スーパーシティ制度は20年9月に改正国家戦略特区法で新設され、同年12月に自治体の公募を始めた。

(三宅亮)

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