阪神大震災から28年熟成の日本酒 Clearが24日発売

日本酒を企画・販売するClear(クリア、東京・渋谷)は24日、1995年の阪神大震災当時から28年間熟成した日本酒「現外」を発売する。酒造会社の沢の鶴(神戸市)が当時被災し、醸造途中だった酒を熟成させた。価格は24万2000円(500ミリリットル)で、クリアのオンラインショップで販売する。
沢の鶴は震災当時、醸造設備が破損し、電気なども止まったため酒造りができなくなった。タンクに日本酒となる前の段階の「酒母(しゅぼ)」が入っていたが、その後の工程に進めることができなかった。「助けられる酒は助けたい」(沢の鶴の西向賞雄製造部長)と酒母のまま絞って日本酒としたが、酸味が強く商品化できなかった。
そのまま蔵で熟成させたところ20年過ぎたころから味わいが変化。今では「複雑で芳醇(ほうじゅん)な香りで、甘みや酸味などが一体となったまろやかな味わい」(クリア)になった。クリアは2019年から毎年、数量限定で現外を販売している。
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