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ビールの酒税なぜ高い? かつて高級品の歴史が背景に

おカネ知って納得

大阪で初となるクラフトビール団体も立ち上がった(6月、大阪市)

新型コロナウイルス禍は飲食店に深刻なダメージを与えた。総務省の家計調査によると、2020年の酒類消費は、家庭が前年比13.6%増と伸びる一方、飲食店は同52.7%減。大阪では時短・休業要請が長期化し、影響も大きかった。

飲食店や観光地での需要が多いクラフトビールへの打撃も大きく、大阪府内の地ビール17社の20年度の出荷量は、前年度比で約3割減と落ち込んだ。ただ、足元ではワクチン接種の進展による需要回復への期待感も高まりつつある。

17社は6月、業界団体「大阪ブルワーズアソシエーション(OBA)」を設立。OBA会長を務める箕面ビール(大阪府箕面市)の大下香緒里社長は「大阪の食文化と合うクラフトビールをアピールし、酒類業界を盛り上げたい」と語る。

飲食店の苦境と裏腹に増えたのが「自宅飲み」だ。記者も帰宅前によく缶ビールを買うが、棚に並ぶビール系飲料は価格も種類もバラバラ。なぜなのか。

缶にある①ビール②発泡酒③その他の醸造酒(発泡性)④リキュール(発泡性)という表示は、原料や製法の違いによる酒税法上の分類で、③④は「新ジャンル」とも呼ばれる。

国税庁によると、350ミリリットル缶換算の酒税はビール70円、発泡酒46.99円、新ジャンル37.8円。2026年10月に54.25円に統一されるが、現在は消費税も含め、ビール1本の価格の4割超が税金だ。ちなみにクラフトに適用されるのもビールの税額。OBAの大下会長は「減税されれば消費者に手に取ってもらいやすくなる」と期待する。

ビール酒造組合によると、1990年代以降のデフレ下でビール各社が発泡酒や新ジャンルに力をいれたのも、ビールの税額の高さが背景にある。現在、純アルコール1度当たりの税額で、ビールはウイスキー、清酒の4倍以上。国際的にも高水準で、減税後の26年時点でもドイツの14倍だ。

そもそも日本のビールの酒税はなぜ高いのか。酒文化研究所(東京・千代田)の狩野卓也社長は「かつて高級酒だったから」と語る。ビールへの課税は日露戦争直前の1901年。当時は家庭で消費されず、遊興施設などで提供される「ぜいたく品」だったという。

「冷蔵庫の普及で家庭の消費も伸びたが、税額は今も相対的に高いまま」と狩野氏。この先、流れは変わるだろうか。(薬袋大輝)

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