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復興拠点87%が除染済み 福島、原発事故の帰還困難区域

特定復興再生拠点区域での家屋解体(3月、福島県双葉町)=共同

東京電力福島第1原発事故による福島県内の帰還困難区域のうち、2022年春以降に居住再開を目指して重点的に除染やインフラ整備を進める特定復興再生拠点区域(復興拠点)の除染進捗率は6月末時点で87%に達した。環境省が13日までに発表した。

放射線量を下げる除染は避難指示解除の大前提となる。作業は進んだが、事故から10年半がたち「戻りたい」と考える住民は減少。どのくらい帰還が進むかは不透明だ。

原発事故で11市町村に出された避難指示は14年以降解除が進んだが、原則立ち入り禁止の帰還困難区域が7市町村に残る。政府は区域内に住宅がある6町村に計2747ヘクタールの復興拠点を設定。原発事故に伴う除染費用は東電に支払いを求めるのが基本だが、復興拠点では家屋解体を含めて全額国費で賄う。22年度までの予算総額は3千億円規模になる見通し。

同省によると、復興拠点内の除染対象は住宅地や商業地など2197ヘクタールで、1904ヘクタールの作業が終わった。浪江町と飯舘村、葛尾村はほぼ終了。双葉町とともに福島第1原発を抱える大熊町が88%。事故後初となる居住再開を来春に控える双葉町は82%、23年春の避難指示解除を目指す富岡町は79%だった。

ただ除染後の放射線量が解除基準の毎時3.8マイクロシーベルト(年間被ばく線量20ミリシーベルトに相当)を下回らない地点も一部残る。環境省は避難解除が遅れないよう再除染を急ぐ。

住民帰還のハードルは年々高くなっている。復興庁が20年に実施した双葉、大熊、浪江、富岡の4町の住民意向調査では「戻りたい」との回答は約1割にとどまった。「避難先に生活基盤がある」のが主な理由だ。

復興拠点以外の帰還困難区域を巡っては、政府が8月末、希望者が20年代に居住できるよう取り組むとの方針を決定したばかり。帰還する意向がない人の土地建物の取り扱いなどは検討課題として残っている。〔共同〕

▼帰還困難区域 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の避難指示区域のうち、2012年3月末時点での年間被ばく線量が50ミリシーベルト超とされた区域。7市町村に計約3万3700ヘクタール残り、原則立ち入り禁止だ。20年3月のJR常磐線全線再開に際し区域内の3駅周辺の避難指示が先行解除されたが、住民の居住再開には至っていない。

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