公立高に全国初「宇宙探究コース」 和歌山県、24年度

和歌山県は12日、国内初の民間ロケット発射場の建設が進む串本町の県立串本古座高校に2024年度、「宇宙探究コース」を新設すると発表した。公立高校に宇宙専門コースを設置するのは全国初といい、県内外から宇宙に関心を持つ生徒を呼び込む。発射場の施設はほぼ完成しており、22年末には1号機の打ち上げを目指している。
普通科内に24年度、宇宙探究コースを設置する。宇宙コンテンツの活用や、関連企業との連携などを盛り込んだ特色あるコースを目指す。カリキュラムや定員数、専門的な知見を持つ教員の採用など詳細はこれから詰める。仁坂吉伸知事は「全国の宇宙少年よ来れ、というコースにする」と述べた。
「本州最南端の町」串本町にある同高は08年、深刻な少子化を背景に旧串本高校と旧古座高校を統合して誕生した。学科は普通科のみで、22年度の募集人数は105人の予定。17年度入試からは新入生を全国募集しており、「これまでに12人が入学した」(県立学校教育課)という。
ロケット発射場「スペースポート紀伊」は、キヤノン電子などが出資するスペースワン(東京・港)が19年から整備を進めている。20年代半ばにはロケットを年間20回打ち上げる予定で、仁坂知事は「打ち上げ増で産業集積が広がり、宇宙教育の拠点として生徒が集まれば」と期待を寄せた。
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