最低賃金、大阪1000円超え 関西2府4県上げ幅過去最大

2022年度の最低賃金(時給)は関西2府4県で引き上げ幅が過去最大となる答申だった。上げ幅は30~32円。関西で最高となる大阪府は2年連続での引き上げで、1023円と初めて1000円を超える見通し。足元の物価高を反映して大きな伸び率となった一方、新型コロナウイルス禍や原材料高の影響を受ける企業側からは負担増を懸念する声も上がる。
2府4県の審議会が4~10日に各地で開かれ、各府県の労働局長に新たな最低賃金額を答申した。適用は10月ごろとなる。京都府は968円で2年連続の増額。兵庫県は960円、滋賀県は927円、奈良県は896円でいずれも19年連続だった。和歌山県は889円で18年連続となる。
兵庫県の上げ幅は32円と国の審議会が示した目安額(31円)を上回った。「全国平均に近づけ、大阪や京都などへの労働力流出を防ぐ」(兵庫労働局)ため。審議会では労使双方で折り合いがつかず、学識者らの公益代表が32円の引き上げを提案。全会一致で決定した。
最低賃金を巡っては政府は景気浮揚のため、全国平均1000円の早期実現を目指している。ただ中小企業などでは新型コロナ禍に加えて原材料高などの影響も大きい。各府県の審議会でも賃上げのために中小企業への支援を望む声があがった。滋賀県や和歌山県などでは使用者代表の委員が引き上げに反対した。