岩谷産業やドコモなど、エビの効率養殖へ実証実験

岩谷産業やNTTドコモなどは11日、バナメイエビの最適な養殖方法を検討するための実証実験を始めたと発表した。外部の水を取り込まないため病気の発生リスクが低いとされる2種類の養殖システムを構築。岩谷の酸素供給装置やドコモの遠隔管理システムを活用して良好な飼育環境をつくり、生産量の増加を目指す。
バナメイエビは世界で最も食べられているエビで、日本でもエビフライやすしのネタなどの用途で幅広く消費されている。東南アジアなどからの輸入品が多いが、国内の養殖品も流通している。ただ、養殖に必要な稚エビは海外から輸入することが多く、海外由来の伝染病による被害も多い。
実証実験には岩谷やドコモ、奥村組、京都大学発スタートアップのリージョナルフィッシュ(京都市)の4社が参加し、2023年3月までを予定する。リージョナルフィッシュが提供する国産の稚エビを活用する。
リージョナルフィッシュと奥村組が微生物の力で水質浄化を図る「バイオフロック養殖」とろ過システムを使った「閉鎖循環式養殖」の2つの方法による養殖を実施。岩谷は既にウナギの飼育などで使われている高濃度酸素溶解装置を用いて水中の酸素濃度を最適な状態に制御する。ドコモは水温や酸素濃度、塩分といったデータを収集し、スマホのアプリなどを通じて確認できるようにする。