京都工芸繊維大、サムコ会長が寄付講座 企業人博士育成

京都工芸繊維大学は11日、半導体製造装置を手掛けるサムコの辻理会長兼最高経営責任者(CEO)から1億円の寄付を受け、2022年4月から寄付講座を開くと発表した。企業に勤める45歳前後の研究者や技術者が対象で、大学院の博士課程と一体的に運営する。より高度な知識や技能を身につけ、修了後に再び企業で活躍する「企業人ドクター」を育成する。
寄付講座は半年間開き、先端材料科学に関する全15コマの講座やゼミ形式の演習を実施。受講者は先端技術の知識を得るほか、研究計画の策定などを進める。その後、選考試験を経て秋学期から後期博士課程に入学し、2年程度で博士号を取得する。
博士課程の定員は1期あたり4人で、3期にわたって募集する。辻氏からの寄付金は講座の運営や研究費用の支援などに充てる。
同日記者会見した辻氏は「技術者が海外でビジネスをする際に博士号を取得していることは重要だ。一人前の技術がわかる人間だという証しになる」と意義を強調した。工芸繊維大の森迫清貴学長は「企業にいる博士をつくらないといけない。実践的な人材を育てたい」と語った。
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