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無敗の牡牝2冠馬、初の2年連続誕生に期待

皐月賞を制したエフフォーリア㊧はこれまでのレースぶりから無敗での2冠達成に期待がかかる=共同

競馬の春のGⅠ戦線の盛り上がりは3歳馬の頂点を決める日本ダービー(30日、東京芝2400㍍)で最高潮を迎える。注目は無傷の4連勝で3歳三冠の第一関門、皐月賞(GⅠ、中山芝2000㍍)を勝ったエフフォーリア(牡、美浦・鹿戸雄一厩舎)が2冠を達成するか。23日に行われる3歳牝馬三冠の2冠目、オークス(GⅠ、東京芝2400㍍)にも無敗で1冠目の桜花賞(同、阪神芝1600㍍)を制したソダシ(栗東・須貝尚介厩舎)が出走する。2020年は牡馬のコントレイルと牝馬のデアリングタクトが無敗での2冠を達成した。2年連続で牡牝ともに無敗の2冠馬が誕生すれば、史上初の記録となる。

エフフォーリアの皐月賞は完勝だった。先行集団の内柵沿いから競馬を進めると、第4コーナーで馬群の間の狭いスペースを割って伸び、あっという間に後続との差を広げていった。2着のタイトルホルダー(牡、美浦・栗田徹厩舎)に3馬身の着差をつけた。

これまで戦ってきた牡馬の中には強力なライバルは見当たらない印象。皐月賞の前の共同通信杯(GⅢ)は上位馬がその後、相次いで重賞を勝つなど、21年の3歳戦の中で最も高水準なレースの一つだったが、2着のヴィクティファルス(牡、栗東・池添学厩舎)に2馬身半の差をつける完勝だった。

ライバルは強烈な末脚持つ牝馬

最大のライバルは牝馬ながらダービー参戦を決めたサトノレイナス(美浦・国枝栄厩舎)だろう。桜花賞では出遅れて後方からの競馬となったものの、最後の600㍍32秒9という強烈な末脚で追い上げて2着。勝ったソダシにわずかに届かなかったとはいえ、能力の高さを示した。

出遅れるレースが続くだけに、最後の長い直線を生かせる東京の舞台は合う。ダービーの距離2400㍍も問題なさそうだ。牝馬の参戦は14年のレッドリヴェール(12着)以来、7年ぶり。制覇となると07年のウオッカ以来の快挙となる。サトノレイナスも好勝負できる素質はある。

エフフォーリアもサトノレイナスも関東馬。21年は、過去20年で17勝という関西馬の影が薄い。皐月賞組の関西馬はエフフォーリアに完敗だった。別路線からは、毎日杯(GⅢ、阪神芝1800㍍)を勝って臨むシャフリヤール(牡、栗東・藤原英昭厩舎)、ダービーと同じく東京芝2400㍍のトライアル、青葉賞(GⅡ)を制したワンダフルタウン(牡、栗東・高橋義忠厩舎)、京都新聞杯(GⅡ、中京芝2200㍍)優勝のレッドジェネシス(牡、栗東・友道康夫厩舎)が出走予定だ。

だが、シャフリヤールは共同通信杯で3着とエフフォーリアに敗れている。他の2頭もこれまでの対戦馬を基準にみると、エフフォーリアとは力の差がありそうだ。

好位置を取れ、はじけるような末脚で伸びてくる――。完璧ともいえる競馬を続けて連勝を伸ばすエフフォーリアの姿をみると、サトノレイナスの追い上げさえしのげば、ダービーで無敗の2冠を達成する可能性は高い。主戦騎手の横山武史はデビュー5年目でまだ22歳という若手。「さらなるプレッシャーもかかるが、馬も僕自身ももっともっと成長して挑めるように頑張りたい」と抱負を語る。

白毛で話題性があるソダシ㊨は桜花賞で完成度の高さを見せた=共同

一方、無敗でのオークス制覇を目指すソダシにとっては、最大のライバル、サトノレイナスのダービー参戦は好材料だ。

ソダシは桜花賞で能力の高さはもちろん、レースセンスの良さ、完成度の高さも見せつけた。スムーズに先行馬群の中につけ、最後の直線でしぶとく抜け出してきた。課題と思われたゲート入りも問題なくこなした。タイムも1分31秒1とかなり速く、高速馬場にも対応できた。「自分が思っていた以上に馬が成長していた」とデビュー以来全戦で手綱を取る吉田隼人も目を見張る。

珍しい白毛でも話題を集める同馬だが、吉田は「話題だけで本当に強いのかとみられていたので、なんとか見返してやろうと思っていた」と桜花賞後に語った。人気先行ではなく、実力も伴っていることを、ここまでのレースで示している。牡馬路線のエフフォーリア同様、ここまで多くの有力馬を破っており、地力は一枚上と評価していい。

ソダシ、大幅な距離延長が課題に

ただ、オークスでの課題もある。牡馬クラシック2冠目の日本ダービーは皐月賞から400㍍の距離延長で済む。対して、牝馬は桜花賞からオークスで一気に800㍍延びる。ソダシは1800㍍までしか経験がない。これまでの力関係は1600~1800㍍で測られたもので、2400㍍になれば逆転する馬が出てくる可能性もある。

桜花賞の上位組では、4着だったアカイトリノムスメ(美浦・国枝栄厩舎)は母が10年の牝馬三冠馬アパパネ、父が05年の三冠馬ディープインパクトで、距離をこなせそう。5着のアールドヴィーヴル(栗東・今野貞一厩舎)も距離が延びても問題なさそうだ。3着のファインルージュ(美浦・木村哲也厩舎)は母は短距離馬だが、母系をさかのぼると持久力のある血脈が入っている。レースセンスも良く、好走のチャンスはある。

それ以外では4月25日のトライアル、フローラステークス(GⅡ、東京芝2000㍍)で3着だったユーバーレーベン(美浦・手塚貴久厩舎)が面白いか。後方からレースを進めることが多い馬で、フローラSは先行有利の流れの中でもよく追い上げてきた。オークスの距離は向きそう。好位から抜け出した勝ち馬のクールキャット(美浦・奥村武厩舎)は母が長距離馬だ。

3歳春の牝馬にとって2400㍍は過酷な距離といわれる。全馬が苦しい条件の中、距離不安がささやかれても、地力の差でオークスを勝った過去の名馬も多い。地力に勝るソダシが、距離に適性のあるライバルをしのげるか。これがオークスの見どころとなる。

(関根慶太郎)

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