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軽井沢バス事故6年、安全誓う集い、遺族や国ら参加へ

長野県軽井沢町のスキーバス転落事故は15日で発生から6年となる。今年初めて、現場で遺族だけではなく、国土交通省や日本バス協会、日本旅行業協会の職員らが参加する「安心安全なバス運行を誓う集い」が開かれる。追悼だけではなく、より具体的な再発防止策のため、立場を超えた意見交換を望んできた遺族の願いが、ひとつの実を結んだ。

あの日の、あの場所で、ともに考えることに意味がある――。遺族会の代表で、次男の寛さん(当時19)を亡くした大阪府吹田市の田原義則さんは「国交省を含め、これだけのバス事業関係者が一度に集まることはない。再発防止の決意を新たにしてもらう場所にできれば」と話す。

事故は2016年1月15日午前1時50分ごろ発生。バスは下り坂を曲がりきれず、ガードレールを突き破り崖下に転落し、大学生ら15人が死亡、26人が重軽傷を負った。国交省の委託を受けた調査委員会の報告書では、大型バスの不慣れな運転が一因とされたが、その運転手も死亡した。

真相は不明のままとなり、遺族はやり切れなさを抱えた。だが「死を無駄にはしない」という思いで、再発防止策を提言するため、国交省や警察庁などを足しげく訪問。国交省による85項目の再発防止策に遺族の意見も取り入れられるなど、願いは届いていった。

一方、要望がなかなか通じない焦りも。バスやタクシーの運転に必要な2種免許の更新時に、すべての運転手を対象に適否を見極める制度や、事故を起こした個人だけでなく法人の刑事責任を問える「両罰規定」を刑法に導入する願いは、実現していない。

現場に立つ慰霊碑には毎年多くの遺族らが足を運ぶ。ここでさらに再発防止を考える機会をつくりたいと、遺族側が「集い」を提案。国交省職員やバス事業者が応えた。

21年10月には、運転手の管理責任を怠ったとして、業務上過失致死罪に問われたバス会社社長ら2人の刑事裁判も始まった。真相解明は長期化するが、田原さんは「時間がたてば事故が忘れられてしまう。二度と起こさないため、風化させない」と話す。

「集い」は来年以降も、発生日の15日に合わせて定期的に開催する予定だ。そのほかにも観光シーズンに各地での啓発活動や講演の実施なども視野に入れている。〔共同〕

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