鶴見製作所、ポンプ部品加工事業を買収 工場も新設

産業用ポンプ大手の鶴見製作所は10日、ポンプ部品の加工を手がけるアロイ金属工業(大阪府八尾市)の全事業を31日付で買収すると発表した。買収額は非公表。ポンプの羽根車など金属部品を内製し、納期の短縮や新製品の開発につなげる。
アロイ金属は鋼材を仕入れてポンプ部品に加工し、鶴見製作所などに納めている。2020年度の売上高は約6億円。後継者が不在だったことから大口取引先である鶴見製作所に事業を譲渡し、会社は清算する。
鶴見製作所は今回の買収に伴い、22年中にポンプに使うステンレスなどを生産する工場を設ける。八尾市に建屋を設け、電気炉など製造設備を導入する。買収費用を含めた総投資額は約10億円。素材から加工、ポンプの組み立てまで一貫して手がける体制を築く。生産するポンプ部品はアロイ金属の取引先だった他社にも供給する。
鶴見製作所は水処理施設や工事現場で使う排水ポンプを手がけ、国内では荏原やクボタ、酉島製作所とともに大手の一角を占める。土砂を含んだ汚水でも部品が摩耗しづらい耐久性を強みとする。