島津製作所、バイオ実験自動化システム開発 AIなどで

島津製作所は人工知能(AI)やロボット技術でバイオ分野の実験を自動化するシステムを開発した。ロボットアームがサンプルなどを搬送し、結果に基づいてAIが新たな実験条件を自動で立案する。膨大な量の実験を効率的にこなせるのが強みで、人工的に遺伝子を変化させた細胞「スマートセル」などの研究を支援する。
島津が強みを持つ液体クロマトグラフや質量分析計に、ロボットアームなどを組み合わせた。実験とデータ解析を繰り返し、細胞が育つ培地の条件を最適化するAIも搭載した。すでに神戸大学の先端バイオ工学研究センターに試作品を設置しており、検証しながら早期の実用化をめざす。
神戸大はデジタル技術とゲノム編集でスマートセルを生み出す研究を進めている。スマートセルを大量生産するための工程を最適化し、複雑な実験を正確に繰り返すため今回のシステムを活用する。島津は製薬、新素材開発など他分野への展開を目指しており、他分野の企業や研究者向けの見学も受け入れていく。
島津は11月にバイオ物質開発の神戸大発スタートアップ、バッカス・バイオイノベーション(神戸市)と資本提携しており、バイオ分野への攻勢を強める。
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