兵庫・淡路島にマリオット開業 インバウンド誘致目指す

積水ハウスと米ホテル大手のマリオット・インターナショナルは16日、兵庫県南あわじ市の道の駅近くに宿泊特化型のホテルを開業した。淡路島には初めての進出で、2023年夏には淡路市にも同様のホテルを開業する予定だ。宿泊客のうちインバウンド(訪日外国人)を5割とする目標を掲げ、観光ツアーで地元と連携する。
開業した「フェアフィールド・バイ・マリオット・兵庫淡路島福良」は淡路島南西の福良港に隣接する「道の駅福良」から徒歩3分程度の距離に立地する。建物は4階建てで、広さ約25平方メートルの部屋が100室ある。ホテル内にレストランや娯楽施設を設けず、宿泊者には道の駅や近くの居酒屋などの利用を促す。
淡路島は関西からの旅行客が大半を占め、インバウンドをいかに呼び込むかが課題だ。淡路島観光協会によると、新型コロナウイルスの感染拡大前のインバウンドの割合は3%にとどまっていた。南あわじ市の守本憲弘市長は「淡路島は海外旅行客にあまり知られていなかった。マリオットが持つネットワークに期待する」と話す。
積水ハウスの仲井嘉浩社長は「淡路島はここ数年でさらに急速に観光地化しており、ポテンシャルが高い」とみる。島内に2軒のホテルを開業することで、大阪や京都に滞在するインバウンドを呼び込みたい考えだ。

今後は淡路島への交通アクセスが課題になる。現在は大阪や京都から兵庫県の明石海峡大橋を通って自動車で移動する経路があり、島の南端まで片道2時間弱かかる。斎藤元彦兵庫県知事は「関西国際空港からダイレクトの水上交通ができる可能性もある」と話す。一部ホテルは空飛ぶクルマの発着場の整備も検討しており「複数箇所できれば望ましい」(斎藤知事)としている。
兵庫県豊岡市で11月に開業したホテルを手始めに、同県内で23年までに道の駅に近い4軒のホテルを完成させる予定。岐阜県に並び道府県別では最多になる。兵庫県はこれに合わせ、積水ハウスやマリオット、ホテルが立地する各自治体の首長から構成される会議体を設ける。斎藤知事も参加し23年度にも第1回目のミーティングを開き、マリオットのホテルを起点とする地方創生について情報交換する。