不二製油と伊藤忠、米で油脂事業統合 22年3月に

不二製油グループ本社と伊藤忠商事は9日、米国で食用油などを製造・販売する油脂事業を2022年3月に統合すると発表した。同事業を統括する新会社を共同出資で設立し、両社の子会社を傘下に収める。原料や生産拠点といったそれぞれの強みを生かし、油脂の年間生産量を3年後に現在の単純合算の1.7倍程度に増やす。
新会社には子会社の株式を現物出資する。出資比率は不二製油が80%、伊藤忠が20%。伊藤忠子会社が扱うヒマワリや米ぬか油などを中心に生産を増やす。不二製油子会社の生産拠点を活用する。
北米では、米バイデン政権がクリーン燃料政策を推進。大豆油はバイオディーゼル燃料向けに需要が拡大し、食品向けの需給が逼迫する可能性があるという。大豆油以外の代替油脂の需要が拡大する見通しだ。原料の輸送共通化や相互活用も進め、収益力を向上させる。
将来は伊藤忠子会社の外食企業向け販路を通じて、不二製油が扱うチョコレート、大豆ミートなどの植物性たんぱく質の販売も手掛ける考えだ。
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