宝HD、純利益7%減に上方修正 コロナ向け試薬好調
宝ホールディングス(HD)は9日、2023年3月期の連結純利益が前期比7%減の194億円になる見通しだと発表した。9%減の189億円と見込んでいた従来予想から減益幅が縮小する。新型コロナウイルスの感染「第8波」の影響で、子会社のタカラバイオの検査試薬販売が想定を上回る。タカラバイオは年間配当を従来予想から2円引き上げ42円にする方針。宝HDは配当予想を据え置いた。
宝HDの連結売上高は16%増の3500億円で過去最高となる見通し。従来予想は3470億円だった。営業利益は15%減の368億円と従来予想を14億円上回る。新型コロナ検査関連試薬の売上高は前期比4割増の360億円を見込む。
子会社の宝酒造は原材料価格の高騰があったものの、22年6月と10月の値上げの効果もあり増益を見込む。海外で日本食材卸などを手掛ける子会社の宝酒造インターナショナルも、欧米を中心に日本食レストランが堅調に推移する見通しだ。
同日発表した宝HDの22年4〜12月期の連結決算は、純利益が前年同期比11%増の190億円、売上高が20%増の2656億円で、いずれも過去最高だった。