大阪府知事選挙、自民府連は谷口氏推薦せず「自主支援」

自民党大阪府連は9日、大阪市内で役員会を開き、4月9日投開票の大阪府知事選への出馬を表明した法学者で大阪芸術大学客員准教授の谷口真由美氏について、府連としての推薦や支援をしないと決めた。応援の可否を所属議員の判断に委ねる「自主支援」とした。府知事選と同日実施の大阪市長選に出馬する自民党市議の北野妙子氏についても同様の対応とする方針だ。
自民府連会長の宗清皇一衆院議員が会合後、記者団に明らかにした。同府連は現職の吉村洋文知事の対抗馬擁立を目指していたが、選定作業は難航。宗清氏は「独自候補探しは終了だ」と語り、断念する意向を示した。
大阪府知事・大阪市長の「ダブル選」を巡っては、地域政党・大阪維新の会が府知事選に吉村氏、市長選に現在大阪府議の横山英幸氏を擁立する方針。知事選には元共産党参院議員の辰巳孝太郎氏も出馬する意向を表明している。
谷口氏と北野氏は、地元の経済人らが設立した政治団体「アップデートおおさか」からの要請を受けて無所属で出馬する意向だ。同団体は維新に対抗する勢力の結集を目指しており、ダブル選で自民府連との連携を期待する声があった。
同府連内には、自民市議を5期務めている北野氏の支援には前向きな意見があったが、谷口氏は過去に自民党政権に批判的な発言を繰り返していたことなどから慎重論が強かった。「同じ政治団体が推す候補者の片方だけを支援するのは筋が通らない」(府連関係者)として対応をそろえた。
宗清氏は「府連会長として2人の応援を(所属議員らに)呼びかけていく」と話した。