パナソニックや不二製油、職場の壁溶かす合言葉「DEI」
都市の針路 多様性を育む(2)
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の観点を深め、企業価値創出を担う世界中の従業員に対して、公平に挑戦の機会を用意し……」。業務用チョコレートで世界シェア3位の不二製油グループ本社。2021年版統合報告書の冒頭のメッセージに「DE&I」というあまりなじみのない言葉が登場した。
DEIとも略され、世界の大手企業が人材・経営戦略で注目するキーワード。女性活躍推進など多様性を生かすD&Iをさらに進め、E(エクイティ、公平性や公正性)の概念を盛り込んだものだ。グローバル人事統括担当の宝谷太郎氏は「不利な状況にある人のバリアーを取り除き、すべての人にチャンスがある組織にしたい」と話す。
同社グループは海外従業員が全体の7割。海外グループ会社の幹部に日本から駐在員を送るのではなく、現地化しようという取り組みも始めた。主要国・地域にDEI推進の責任者も置き、それぞれの事情に応じた公正性を確保するための課題の特定などを急ぐ。
ゲイ公表の人気YouTuber、三洋化成に
「なんと僕、就職することになりました!」。ゲイであることを公表して活動する人気ユーチューバー「かずえちゃん」が、20年8月に就職したのは大手化学メーカーの三洋化成工業だ。人事本部ダイバーシティ推進部の非常勤嘱託社員として、社内研修やワークショップなどで活動。同社も21年からDEIの推進を始めた。パナソニックホールディングスが今夏オンラインで2日間開いた「グループDEIフォーラム」には、延べ1万4千人超の社員がライブ視聴に参加。先進企業は

2025年万博に向け、大阪・関西が動き出しています。魅力ある都市とは、絶えず新しいものが生まれ、そこで学びたい、働きたいと若者がやってくる「憧れの対象」です。長期低迷からの脱却をめざす都市の現状を描き、都市の進むべき道を考えます。