任天堂、4月から賃上げ 全社員の基本給と初任給10%増

任天堂は7日、2023年4月から全社員の基本給を10%引き上げる方針を明らかにした。正社員のほか嘱託社員やアルバイトも含めて同程度増額する。大卒で23万3000円だった初任給を、23年4月入社から1割増の25万6000円に引き上げる。ゲーム業界では人材の獲得競争が激しくなっており、給与増を通じて優秀な人材の獲得にもつなげたい考え。
同日開いた決算説明会で古川俊太郎社長が明らかにした。古川社長は「世界規模の物価上昇で、金銭面の負担感が増してきている」と背景を説明。「採用の競争力を強化して、中長期的に会社の総合力を高める」ためにも基本給や初任給の引き上げを行うとした。
高度化が進むゲーム業界では、専門性の高い人材が取り合いになっている。カプコンは22年に正社員の平均年収を昇給分も含めて平均30%増額させると発表したほか、コーエーテクモホールディングス(HD)は22年春入社から初任給を5万6000円増の29万円としている。
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賃上げは賃金水準を一律に引き上げるベースアップと、勤続年数が上がるごとに増える定期昇給からなる。2014年春季労使交渉(春闘)から政府が産業界に対し賃上げを求める「官製春闘」が始まった。産業界では正社員間でも賃金要求に差をつける「脱一律」の動きが広がる。年功序列モデルが崩れ、生産性向上のために成果や役割に応じて賃金に差をつける流れが強まり、一律での賃上げ要求の意義は薄れている。
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