島津製作所の4~9月、純利益20%増 子会社不正を陳謝
島津製作所が7日発表した2022年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比20%増の245億円だった。4~9月期として最高益を更新した。同日に記者会見した山本靖則社長は、子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)の社員が医療機関に納品したX線撮影装置の故障を装い修理をしていた不正行為について、「医療機関や患者様をはじめとする関係者にはご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と陳謝した。
山本社長は今回の不正行為が業績に与える影響について「ゼロではない。特に医用機器事業でマイナス面が出ている」と述べた。9月に設置した調査委員会の調査結果公表時期については未定とした。
22年4~9月期の連結決算は、売上高が10%増の2218億円だった。円安が195億円のプラス要因となった。営業利益はほぼ横ばいの289億円を確保した。部品不足について、山本社長は「年内にはそこそこ部品が入ってくるようになる見通しだが、生産遅れを取り戻すには来年の5~6月まではかかるのではないか」と話した。
事業別に見ると、主力の計測機器事業は海外を中心に創薬開発や医薬品の自国生産が進んだことで液体クロマトグラフの需要が伸び、売上高は8%増の1414億円だった。一方、部材費の高騰が響き営業利益は2%減の238億円となった。
利益面では、中国のロックダウン(都市封鎖)や部品価格の高騰の影響を受けたが、為替差益が純利益を37億円押し上げる要因となった。
23年3月期通期の業績予想は、売上高を従来予想から150億円引き上げ、前期比10%増の4700億円に上方修正した。想定為替レートを従来の1ドル=115円から1ドル=130円に見直したことが影響した。営業利益や純利益は部材価格の高騰の影響が続くとして、従来の業績予想を据え置いた。
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