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任天堂の23年3月期、純利益23%減に Switch減速

(更新)

任天堂は7日、2023年3月期の連結純利益が前期比23%減の3700億円になる見通しだと発表した。従来予想を300億円下回る。足元で円高が進み為替差益が想定より縮小する。主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売台数が22%減の1800万台と従来計画を100万台下回ることも響く。発売7年目を前に長寿ハードのスイッチに息切れ感が出てきている。

1株あたりの期末配当は96円と従来予想の109円から減らす。同社は22年10月に1株を10株に分割した。分割を考慮したベースだと、前年同期比では減配となる。

売上高は6%減の1兆6000億円、営業利益は19%減の4800億円の見通し。それぞれ500億円、200億円下方修正した。スイッチだけでなく、ソフト販売も13%減の2億500万本と500万本下振れする。今期末の想定為替レートは1ドル=135円から125円に変更した。任天堂は海外販売比率が8割近くあり、外貨建ての手元資金も多いため、円高が収益を圧迫する。

スイッチは3月に発売7年目に入る。1983年に発売した「ファミリーコンピュータ」に匹敵する長寿ゲーム機だが、古川俊太郎社長は7日のオンライン会見で「足元ではインフレによる消費動向の変化や、経済再開による娯楽の選択肢の多様化といった外部環境の影響も受けている」と説明した。

7日発表した22年4〜12月期連結決算は売上高が前年同期比2%減の1兆2951億円、純利益が6%減の3462億円だった。前半に半導体不足で出荷に苦戦した影響でスイッチの販売台数は21%減の1491万台だった。ソフトでは「ポケットモンスター」の新作を世界で2061万本、「スプラトゥーン3」を1013万本販売するなどのヒットもあったが、全体では4%減の1億7211万本にとどまった。

円安は営業利益段階で460億円の押し上げ要因になった。ドル建てやユーロ建ての手元資金に関する為替差益も289億円押し上げたが、円高で4〜9月期の764億円から大きく減った。

スイッチの22年末までの累計販売は1億2255万台で、89年発売の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」(1億1869万台)などを超えた。ただ、古川社長は24年3月期の販売動向については「この段階から前年を超えてハードの販売を伸ばしていくのは難しい」と語った。5月発売予定の「ゼルダの伝説」の新作など、ソフト販売をどれだけ伸ばせるかが注目される。

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