くら寿司、1皿の最低価格を5円上げ115円に 10月から

回転ずし大手のくら寿司は7日、10月1日から1皿の最低価格を110円から115円に値上げすると発表した。水産物の仕入れ価格やエネルギー価格の高騰、円安の影響を受け、現在の価格を維持したままでコスト増を吸収するのは難しいと判断した。
一部店舗を除いてこれまで110円と220円としてきた基本価格を115円と165円に変更する。115円に値上げするのは「極み熟成まぐろ」や「サーモン」などの約50種類の商品。「あじ」や「真たこ」など一部の商品は110円から165円に値上げする。
一方、220円だった18種類の商品は165円に値下げする。新商品も含めて「えびアボカド」や「Wチーズサーモン」など約40種類が165円になる。

7日に東京都内で開かれた記者発表会で、くら寿司の田中邦彦社長は「これまでは企業努力でコスト増の吸収を図ってきたが限界だ」と説明した。6日には2022年10月期の連結営業損益が9億200万円の赤字(前期は26億円の赤字)になると発表し、従来見通し(28億円の黒字)を下方修正した。田中社長は「今回の値上げで(来期は)利益を十分に確保できるが、大きな利益があげられるわけではない」と話した。
一部の商品を値下げすることについては「最低価格を5円値上げするからには、一部の商品を値下げして(顧客に)納得してもらう必要がある」(田中社長)とした。同社は1977年に創業。84年に回転ずし業態へ移行したが、値上げは移行後初めてという。
同業他社では「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIESが10月から郊外型の店舗では1皿の最低価格を110円から120円に値上げする予定だ。回転ずし各社は新型コロナウイルスの再拡大による客数減や原材料高を受け、業績が悪化している。

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