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パナソニック、売上高7兆円割れ 成長回帰は道半ば

決算説明会に出席する津賀一宏社長(右)と梅田博和最高財務責任者(左)

パナソニックが10日発表した2021年3月期の連結業績は、売上高が6兆6980億円となり25年ぶりに7兆円を割り込んだ。一時は10兆円を目指していただけに、成長事業の育成の遅れが目立つ。

純利益は前の期比27%減の1650億円だった。家電や黒字転換したテスラ向け車載電池などが堅調だったが、新型コロナウイルス禍の影響で航空機向けが苦戦した。

津賀一宏社長は同日のオンライン会見で「新型コロナの感染拡大で全く予想できなかったが、第3四半期は従来出せなかった利益率を出せた」と振り返った。営業利益率は21年3月期通期では4%弱だったが、10~12月期には7%に達するなど、下期の回復で7月に公表した通期予想を上回ったからだ。

収益を下支えしているのはコスト削減や赤字事業の縮小・撤退という身を縮める改革だ。

新型コロナ禍による移動制限に伴い、展示会への出展抑制や労務費の削減などを積み重ねた。事業の入れ替えも進めてきた。半導体は台湾企業に売却し、液晶パネルや太陽電池は22年3月期に生産撤退する。同社の「顔」だったテレビも、中国家電大手TCLに低価格機種の生産を委託する方向で調整中で、テレビの国内生産も事実上終了した。

こうした取り組みにより、2年間で1100億円規模の採算を改善。22年3月期までに1000億円の採算改善を目指してきたが、1年前倒しで達成した。

だが、今期の業績予想では営業利益率は回復を見込んでも5%弱。ソニーグループ(10%)などの競合と比べて依然見劣りする。純利益は27%増の2100億円を見込むものの、売上高は7兆円を回復するにとどまる。

津賀社長は、米ソフトウエア大手のブルーヨンダーの買収に71億ドル(7700億円)もの巨費を投じることで、パナソニックを再び成長軌道に乗せるシナリオを示そうとした。工場・物流・小売りなどの現場で顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、サプライチェーン(供給網)を効率化する事業を拡大する。単なるモノ売りからサービス提案型の事業モデルに転換することを目指す。

その津賀社長は9年間務めた社長の座から6月に降りる。バトンを引き継ぐ楠見雄規最高経営責任者(CEO)は「パナソニック自身のDXを促進し、現場力を強化する」と語る。成長路線への回帰へ課題は多く、改革は道半ばだ。

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