大阪メトロなど、次世代交通システムの実験公開

大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は6日、関西電力やNTTドコモなど9社と共同で進める次世代交通システムの実証実験を報道陣に公開した。専用のテストコースでバスは一定条件で運転を完全自動化する「レベル4」相当の運行をした。顔認証による乗車についても検証した。2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)の交通手段として導入を目指す。16日から一般向けの体験会も行う。
大阪市内の舞洲実証実験会場で実施した。万博会場を想定した1周約400メートルの専用コースを使い、あらかじめ入力されたルートを走行した。道路状況をセンサーが確認しながら人の手を介さずに進む。コース内では平均時速約10キロで走行した。
運行状況は遠隔で監視していて、トラブルが発生した場合は担当者が現場に駆け付ける仕組みだ。車内に設置したタブレット端末を使い、高速通信規格「5G」でオペレーターが遠隔地からリアルタイムでガイドもする。
電動自転車や車椅子など低速の小型モビリティーも含め、7種類21台の走行実験をする。太陽光パネルを歩道に埋め込んだ路面発電システムや路上での非接触の充電も試す。自動運転バスを体験した大阪メトロの河井英明社長は「自動運転を含めた実証実験を進め、万博に向けて社会インフラを整える」と話した。