西日本豪雨4年、広島と岡山で追悼式 14府県304人犠牲

14府県で304人が犠牲になった2018年の西日本豪雨から4年を迎え、広島と岡山の被災地で6日、追悼式が開かれた。遺族らは「前向きに生きていく」と誓った。平成最悪の水害で、ともに被害が甚大だった愛媛を含めた3県では今なお計112人が仮設住宅などで「仮住まい」をしている。
21年の静岡県熱海市の大規模土石流や20年の九州5県の豪雨など、例年7月には各地で災害が相次いでおり、式の参加者からは「日ごろから身近にどんな危険があるかやどう行動するかを考えておくことが大切だ」との声が聞かれた。
広島県では151人が死亡し、5人が行方不明に。広島市安佐北区の式には約20人が参列し、遺族代表の片山兼次郎さんは「当時中学3年だった娘は、今年大学に合格したよ」と、犠牲になった母と姉に報告。「残された者が明るく元気に生きていくことが精いっぱいの供養。感謝の気持ちを持って後悔のない人生を送る」と話した。
広島県坂町では十数人が寺で犠牲者を追悼した。
岡山県で亡くなったのは95人で不明は3人。広範囲が浸水した同県倉敷市真備町地区の文化施設「マービーふれあいセンター」で開かれた式で、母を亡くした遺族代表の平松頼雄さんは「つらい経験を教訓とし、昨年、防災士の資格を取った。地域の自助共助を図ることで母も喜んでくれると思う」と語った。
伊東香織市長は「毎年のように自然災害が各地で発生している。真備の被災経験を防災対策につなげ、災害に強い地域づくりに取り組む」と式辞を述べた。追悼式は広島市南区と安芸区、岡山県総社市でも開かれた。
犠牲者304人のうち災害関連死は82人。3県によると、仮住まいは6月30日~7月5日時点で岡山71人、広島13人、愛媛28人となっている。7日は愛媛県の被災地で追悼行事がある。〔共同〕