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コメ先物が廃止へ 農水省、堂島商取の本上場認めず

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江戸時代に大坂・堂島で始まったコメ先物は姿を消す

大阪堂島商品取引所は6日、コメ先物取引の本上場への移行が農林水産省に認可されなかったと発表した。リスクヘッジ機能を期待され、本上場に備えるためこれまで10年にわたり恒久的な取引に向けて試験上場をしてきた。参加者を思うように増やせず、江戸時代の大坂・堂島に端を発するコメ先物は廃止となる。

2011年に試験上場が始まったコメ先物取引は2年ごとの期限を4回延長してきた。今回の期限が7日に迫るなか、堂島商取は本上場への移行を申請。農水省は、生産者の参加が大きくは増えておらず生産・流通を円滑にする観点から不十分だと指摘していた。

堂島商取は試験上場をこれ以上延ばしても本上場のメドがつかない、として試験上場を延長しない。すでに成立している取引が終わる22年6月以降はコメ先物を扱えなくなる。

農水省は本上場の条件として、「十分な取引量」と「生産・流通を円滑にするために必要かつ適当」を判断基準に設定した。堂島商取は売買高が前回の試験期間の2.8倍に増えたと主張。取引への参加者数は172から175となり、うち生産者も62から66になったと訴えた。

農水省は生産者の参加の広がりが不十分だと指摘。流通の5割超を握る農業協同組合は現物価格への悪影響を懸念してコメ先物に強く反対し、市場に参加しなかった。4日には自民党の農林・食料戦略調査会などが本上場について「慎重に判断」するよう農水省に申し入れ、事実上、認可しないように求めていた。

コメ先物は日中戦争に伴い国家統制が始まると休止となり、民主党政権下の2011年に72年ぶりに試験上場として復活した。

堂島商取は4月に会員組織から株式会社に移行し、SBIグループなどから20億円の出資を受けた。ほかの商品をそろえて経営再建を図り、先の見えないコメ先物からは手を引く。

一方で利用者からは「生産者にとって価格が先に分かるのはメリット。売り方の選択肢がなくなるのは残念だ」(新潟の大規模生産者)、「先物は市場で価格が決まり、リスクヘッジの一つとなる。新潟コシヒカリに取引が偏るといった使いづらい部分は、本上場したら商品を修正していけばよかった」(コメ卸)との声があった。

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