関西経済同友会 次期代表幹事にパナHD宮部義幸氏内定

関西経済同友会は6日、パナソニックホールディングス(HD)の宮部義幸副社長(65)を次期代表幹事に内定したと発表した。5月に任期末を迎える生駒京子代表幹事(66、プロアシスト社長)の後任。5月の理事会で正式に選任する。
代表幹事は2人制で、通常2年間務める。宮部氏は任期中に2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕を迎える方向で、成功に向けたリーダーシップが期待される。パナソニックHDの東京代表でもあり、首都圏などでの機運醸成にも取り組むことになる。
生駒代表幹事は宮部氏を推薦した理由について「デジタルトランスフォーメーション(DX)などの知見を持ち、イノベーションの推進力がある」と説明。宮部氏は関西同友会の常任幹事として海外交流などをけん引しており、パートナーとなる角元敬治代表幹事(60、三井住友銀行副会長)は「グローバルな目線は非常に頼りになる」と述べた。
宮部氏は「万博を盛り上げるのは大事だが、万博をテコにどのように関西、日本が成長していくかが重要だ。そうした議論もやっていきたい」と抱負を語った。

宮部氏「衆知を集め、成長のための提言を」
生まれてから大阪大学大学院を修了するまで大阪を離れず、松下電器産業(現パナソニックホールディングス)に入社した。「大阪への思い入れは人一倍強い」と話す。渉外担当として築いた人脈と人望を生かし、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開幕時の「顔」としての役割を担う。
入社後はデジタル技術者として家電製品のデジタル化に携わった。勃興期のシリコンバレーにも赴き、企業や大学との共同研究などに取り組んだ。デジタルトランスフォーメーション(DX)や環境負荷軽減など、グローバルな変化やトレンドをビジネスチャンスととらえる視座を持つことが強みだ。
座右の銘は「日に新た」。創業者・松下幸之助氏の言葉で、「これまでの経験が生きない事態で、未来を描いていくことが大事」と解説する。関西は東京と比べると経済の規模で見劣りするが「即断即決してやれる関西の規模なら変化を先駆け、成長できる」と力を込める。
「社内外での人望が非常にある」というのがパナソニックHDの幹部の評価。万博という大イベントを控え、関西の顔役に「パナソニックHD」が久しぶりに名を連ねることを歓迎する声は多い。「いろいろ視座を高めて衆知を集め、日本・関西の成長のための提言ができる集団になりたい」。関西経済の未来を新たに切り開く覚悟だ。
(みやべ・よしゆき、大阪府出身)

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