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塩野義、月内にもコロナ飲み薬承認申請 治療の幅広がる

(更新)

塩野義製薬は7日、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について、2月中にも厚生労働省に製造販売承認を申請する方針を明らかにした。臨床試験(治験)の中間解析データに基づき通常より早く実用化する「条件付き早期承認」の枠組みを使うことを想定する。政府も迅速な審査を進める見通し。軽症者向けの飲み薬で現在使えるものは海外製しかない。国産品が実用化すれば安定確保につながる。

塩野義の手代木功社長は同日開いた記者会見で、約50人分の治験データを解析し、体内のウイルス量を下げる効果を確認したと説明。続けて実施中の治験について「約400人分の結果が来週か再来週にまとまる。良好であれば速やかに申請したい」と話した。

開発中の飲み薬は感染初期に5日間連続で服用し、ウイルスの増殖に必要な酵素の働きを妨げる効果を狙う。2021年9月末から進める最終段階の治験は、無症状者や軽症・中等症の患者約2100人が対象。

塩野義は当初、21年内の承認申請を目指していたが、昨秋の感染収束以降に感染者が急減し治験が停滞していた。治験終了前の申請で実用化の遅れを挽回したい考え。

塩野義は既に生産を始めており、「2月末には40万~50万人分の製造を積み上げる」(手代木氏)。3月末までに100万人分を生産し、4月以降に年1000万人分以上の供給体制を整える。

岸田文雄首相は7日の衆院予算委員会で、塩野義の飲み薬について「臨床試験で安全性や有効性が示された場合には『条件付き早期承認制度』も含めてあらゆる手法の活用を視野に迅速に審査したい」と語った。

同制度は患者数が少ない難病の薬などで少人数の治験データでも実用化を認める仕組みだ。通常より早く申請できる。

新型コロナの飲み薬では米メルクの「ラゲブリオ(一般名モルヌピラビル)」が承認済みで、政府は160万人分の供給を受ける。米ファイザー製も10日に厚労省の専門部会が承認可否を審議予定。政府は同社と200万人分の供給を契約済み。塩野義の薬も実用化されれば、感染拡大への備えがより手厚くなる。

一方、軽症者が多く既存薬もあるコロナ治療薬の場合、条件付き早期承認制度の利用はそぐわないとの見方もある。塩野義がこの制度を使うには、米メルクや米ファイザーの製品に劣らない顕著な有効性を明確に示す必要があるとみられる。

塩野義は新型コロナワクチンの開発も手掛け、3月末までの実用化を目指す。英アストラゼネカのワクチンと有効性を比較する国内での最終治験は約1000人の募集を完了。それぞれのワクチンを2回接種した後にウイルスの感染を防ぐ「中和抗体」の量を調べている。並行して、追加接種向けの治験も実施している。

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