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パナソニック楠見社長「環境分野で大きな責任を果たす」

(更新)

パナソニックが環境を経営の中心に据える姿勢を鮮明にする。楠見雄規社長は米西部時間4日、世界最大のテクノロジー見本市「CES」の記者会見で公開したビデオメッセージで、「環境分野で大きな責任を果たす必要がある」と言及。事業活動だけでなく、自社商品の利用により排出される二酸化炭素(CO2)の削減も加速する考えを示した。

「大きなポジティブインパクトを(環境分野で)与えることを目指したい」。楠見氏は映像の中で力強く宣言した。かつてCESは、テレビなど新商品を華々しく紹介する場だった。2021年4月に最高経営責任者(CEO)に就任した楠見氏が新型コロナウイルスの影響などで海外に直接発信する機会が限定される中、注目の集まるCESで自らメッセージを発信し、環境重視の覚悟を社内外に示した格好だ。

背景にあるのは、商品ライフサイクル全体における環境負荷の大きさだ。工場など事業活動に伴うCO2排出量は年220万トン程度だが、調達や顧客による家電など商品利用も含めた総排出量は1億1000万トンに及ぶ。パナソニックによると世界の電力消費による排出量の1%相当を占め、国に換算すると世界37位の排出量という。

楠見社長はかねて「環境問題は最大の社会課題」と言及してきた。環境重視を宣言し、CEO就任後初めての記者会見で事業活動に伴うCO2排出実質ゼロを30年に実現すると表明した。今回は自社商品の利用や社会も含む幅広い環境分野でCO2削減を進めるコンセプトを「パナソニックグリーンインパクト」と名付け、推進する考えを示した。

貢献分野として、家や街、モビリティー、サプライチェーン(供給網)、工場を挙げた。電気自動車(EV)向けの車載電池では事業拡大に加え、米社と連携して原材料のリサイクルに取り組む。買収した米ブルーヨンダーを活用し、供給網から無駄を取り除き環境負荷を低減する取り組みも加速する考えだ。全社として取り組む方針を鮮明にする中、今後どれだけソリューションや商品を早期に具体化できるかに注目が移る。

(岩戸寿)

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世界最大のテクノロジー見本市「CES」。2023年は1月5日(米国時間)にアメリカ西部ラスベガスで始まり、ソニーやサムスンなどIT関連企業が出展しました。最新ニュースをまとめました。

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