F&LC純利益73%減、22年9月期 不祥事で販売伸び悩む - 日本経済新聞
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F&LC純利益73%減、22年9月期 不祥事で販売伸び悩む

回転ずし「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIESが4日に発表した2022年9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比73%減の36億円だった。国内のスシロー事業で景品表示法違反(おとり広告)による措置命令など一連の不祥事によって売り上げが伸び悩んだ。販売不振による店舗の収益性低下などを踏まえた計68億円の減損損失の計上も利益を押し下げた。

売上高は17%増の2813億円だった。新規出店などにより海外でのスシロー事業が好調だった。一方、6月以降おとり広告による措置命令や「生ビールジョッキ半額」の販促を巡る問題などが相次ぎ、客足が離れて国内のスシロー事業での売り上げが想定を大きく下回った。

同日開かれた記者会見で、一連の不祥事について水留浩一社長は「できるだけ売り上げを落としたくないという思いが強く出てしまい、お客様が第一優先という認識が薄くなっていた」と話した。

営業利益は56%減の101億円だった。円安などを受けた水産物などの調達コスト増加や、時短営業による助成金収入も減って利益を押し下げた。

同日発表した23年9月期の連結業績の見通しは、純利益が前期比66%増の60億円。売上高は14%増の3200億円。営業利益は9%増の110億円とみる。

国内のスシロー事業では出店を18~22店舗ほどに抑え、既存店の強化に注力する。措置命令以降、自粛していたテレビCMなどの広告宣伝活動を12月上旬をメドに再開する。海外ではスシローを50~60店舗出店する計画で「海外出店のうち半分は中国大陸」(同社)という。22年12月までに海外店舗数は100店舗に達する見込み。海外スシロー事業の売上高構成比率を20%超(22年9月期は14%)まで高めたい考え。

23年9月期については不祥事などによる客離れの影響が引き続き懸念材料だ。2日発表の10月の既存店売上高は前年同月比19%減だった。客数が20%減となっており、10月から始まった1皿の最低価格の値上げも影響したようだ。

スシローの事業会社、あきんどスシロー(大阪府吹田市)の新居耕平社長は「(値上げによる)10月の客数減は想定よりは小さい。販促の再開で客数がどう変化するかに注視したい」と話す。回転ずしチェーン店の顧客はファミリー層が多く、食品など値上げが相次ぐ中で節約志向が強まっている。今後の販売動向が注目される。

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