ローム、次世代半導体「GaN」制御の高速IC開発

ロームは次世代素材の窒化ガリウム(GaN)製パワー半導体を制御する新技術を開発した。IC(集積回路)で電流のオンオフを切り替える際の時間を従来の4分の1にあたる2ナノ(ナノは10億分の1)秒まで短くした。ドローン(小型無人機)や産業機械の部品の小型化につながるといい、年内にもサンプル出荷を始める。
新たに開発したICはパワー半導体の動きを制御するのに使う。GaN製パワー半導体は従来のシリコン製よりも高速で動かした際の電力ロスが少ない利点があるが、設計の難しさが課題だった。ロームは回路の配置を工夫したことで従来製品の9ナノ秒よりも短い間隔で制御できるようにした。
パワー半導体向け制御ICは電流をオンにする時間が短くなるほど高い電圧を扱える。高速で切り替えられることで電圧変換部品が減り、装置全体の小型化につながるという。GaN製パワー半導体をつかうドローンや産業機械、ロボットなどへの活用を見込む。