グンゼ、中国でのストッキング生産終了 国内工場に集約

グンゼは3日、中国でのストッキング生産を終了すると発表した。宮崎県にある工場に生産を集約して効率を高める。グンゼのストッキングは国内向けが中心で、新型コロナウイルス感染拡大前に比べ需要が大きく減っている。日本で集中生産することで採算の改善を図る。
山東冠世針織(山東省)でのストッキング生産を2022年末に終了した。07年に操業を始め、日本向け製品を生産・輸出してきた。従業員は解雇し、今後会社を清算する方針だ。宮崎県小林市にある工場に生産を集約する。国内工場の稼働率も低迷しており、追加投資や人員増強などはしない見通しだ。
グンゼは「サブリナ」などのブランドでストッキングを生産している。ストッキングを含むアパレル事業は22年3月期の営業損益が5億円の赤字で、23年3月期も3億円の赤字が続く見通しだ。グンゼはかねてストッキング事業の生産拠点を整理する方針を打ち出していた。
国内のストッキングの消費量は大きく減っている。カジュアル化やパンツルックの定着など女性の服装の多様化などを背景に需要が減っていたところに、コロナ禍が追い打ちをかけた。在宅勤務の定着や冠婚葬祭などでの着用機会が減ったことも響いている。
日本靴下協会によると、21年度のストッキング・タイツの国内向け供給量はコロナ禍前の19年度に比べてほぼ半減した。総務省の家計調査では、婦人用ストッキングの1世帯あたりの年間消費額は激減し、2001年には1166円だったが、19年には442円と半分以下になり、21年には248円とさらに半分近くになっている。