兵庫県、初のグリーンボンド発行へ 9月にも200億円

兵庫県は3日、初めてとなるグリーンボンド(環境債)を9月にも発行すると発表した。機関投資家向けに10年債と20年債を100億円ずつ発行する。調達資金は下水や汚泥を活用したバイオガス事業、県施設の照明のLED化、太陽光発電設備の導入などに充てる。安定的な資金調達やESG(環境・社会・企業統治)投資の活性化を図る。
主幹事はみずほ証券や野村証券、SMBC日興証券などが担う。表面利率は未定で、早ければ9月にも決定するという。記者会見を開いた斎藤元彦知事は「兵庫県が脱炭素事業に取り組んでいることを投資家にアナウンスしていくのが大事」と述べた。
環境債は全国の自治体で発行が相次いでいる。2017年に東京都が自治体として初めて発行し、20年には神奈川県などが続いた。最近では愛知県が5年債を100億円程度発行する方針を決めた。
県内では、神戸市が21年度の市債全額1500億円を「SDGs(持続可能な開発目標)債」として発行した。安定的に資金を調達したい自治体にとって、新しい財源確保の手段として存在感が高まっている。

SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略語で、国連サミットで2015年9月、全会一致で採択された世界共通の行動目標。国や民間企業の取り組みに関する記事をお読みいただけます。