漫画のせりふ無断掲載疑い ネタバレサイトで書類送検
漫画のせりふや作品の内容を無断で掲載したインターネット上のいわゆる「ネタバレサイト」を巡り、福岡県警は3日、著作権法違反の疑いで、東京都内の運営法人と金沢市在住の男性会社役員(44)を書類送検した。

書類送検容疑は2020年5月、小学館のアプリで連載されている漫画「ケンガンオメガ」のせりふや登場人物の名前を使ったテキストデータや漫画のこまの画像などを、サイト上に無断で掲載した疑い。
小学館によると掲載したのは「漫画ル ~無料漫画感想ネタバレビュー」と称したサイト。捜査関係者によると、役員は掲載行為を認める一方、「引用の範囲で、編集した自分に著作権があると思った」と話している。漫画アプリで作品を読んで文章を作成し、こまはスクリーンショットで保存したという。
小学館の漫画アプリ「マンガワン」編集部は「漫画家が心血を注いで創作した作品を無断で盗み取り、これを糧に荒稼ぎする卑劣な犯罪の一掃を目指す。刑事、民事両面からの法的手続きをはじめ、あらゆる侵害サイトへの断固たる対応を今後も続ける」とのコメントを出した。同社側は21年4月、福岡県警に相談。同9月に刑事告訴していた。
鑑賞の対価を支払わなくても作品の内容が分かる「ネタバレ」でサイト閲覧数を増やす行為は近年、社会問題化。仙台地裁は21年11月、映画の内容を短く編集した「ファスト映画」を動画投稿サイトで公開した被告に懲役2年、執行猶予4年、罰金200万円の判決を言い渡した。〔共同〕