21年のDV相談、最多の8万件超 GPSストーカー152件
2021年に全国の警察でドメスティックバイオレンス(DV)の相談が8万3042件あったことが3日、警察庁の統計(確定値)で分かった。前年に比べ399件増え、01年のDV防止法施行後の最多を更新した。
ストーカーの相談は1万9728件で、前年より461件減少したが、ほぼ横ばいで推移。21年8月施行の改正ストーカー規制法で禁止された全地球測位システム(GPS)機器を悪用したケースは、施行後で延べ152件だった。
警察庁の担当者は新型コロナウイルス禍の影響で「DVやストーカー事案が潜在化、深刻化している恐れがある」と話している。
復讐(ふくしゅう)のために相手の裸の写真などを流出させるリベンジポルノの相談は1628件で最多を更新。被害者と加害者がインターネット上で知り合った事案が2割を占めた。
改正ストーカー規制法は、相手の車や持ち物へのGPS機器の無断取り付けや、スマートフォンのアプリによる位置情報取得を規制している。152件の形態別(複数回答)はGPS機器取り付けが109件、位置情報取得が43件。これらへの「禁止命令等」は6件、摘発は5件だった。
DV被害者の性別は女性74.8%、男性25.2%で、男性が増加傾向。30代が26.4%と最も多く、20、40代も20%台だった。摘発状況は暴行などの刑法犯・特別法犯が8634件、保護命令違反が69件だった。
ストーカー被害者は87.6%が女性。20代が最多で、70代以上は近年微増している。被害者と加害者の関係は交際相手(元を含む)が37.9%と最多。「面識なし」「関係不明」が計18.9%と増加傾向で、ネット上の接触がきっかけのケースがある。摘発は規制法違反937件、住居侵入などの刑法犯・特別法犯1581件だった。〔共同〕