二審も名古屋市敗訴 愛知芸術祭負担金未払い
愛知県の大村秀章知事が会長を務める芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会が、名古屋市に未払い分約3380万円の負担を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は2日、全額の支払いを命じた一審・名古屋地裁判決を支持、市側の控訴を棄却した。
控訴審で市側は、企画展「表現の不自由展・その後」で展示され激しい抗議を受けた作品がハラスメントに当たるとして「未払いの判断には合理的根拠がある」と主張。
だが、判決理由で松村徹裁判長は、芸術祭の負担金を交付することは、地方自治法の「公益上必要がある場合」に当たると指摘。展示作品は不自由展の目的・趣旨に反するものではないと認定した上で、未払いを巡る河村たかし市長の判断に対し「裁量権の範囲を逸脱している」と結論付けた。
判決などによると、市は2019年7月までに負担金約1億3700万円を支出。同8月に芸術祭が開催されたが、企画展の内容に問題があったとして、河村市長が20年に残りの負担金の不支出を表明した。〔共同〕